The Lotus Eaters

記事はすべて私個人の見解であり、いかなる企業、団体、コミュニティの立場、戦略、意見を代表するものではありません。

Perfect 10 on 10.10

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 2017年10月にHCL社との連携が発表され (とても分かりやすいIBM Champion 加藤さんのブログ)、その後Domino 2025 JAM、β版のリリースなど、途切れることなく様々なアクティビティが続き、そして遂に2018年10月10日に発表イベントが日本を含むワールドワイドで同時開催され、同時にNotes/Domino V10がリリースされました。去年IBMが「2018年に10を出す」と断言した時点に於いても「IBMは、Notes/Dominoには投資しない」「Notes/Dominoはオワコン」と言っていたみなさま、お元気でしたでしょうか。

 

 私も10月10日にNotes V10 Goldをセットアップしました。あっという間に終わります。大昔はnotes.iniからnames.nsfからdesktop.dskからIDファイルからバックアップを取って、インストールして、iniを上書きして......などとやっていたことを考えると、隔世の感があります。

 

 何度「ノーツクライアントの新バージョンのインストール」をしてきたか分かりません。そして新しいNotesクライアントを目にする度にとても嬉しいのですが、今回のV10はなぜか今までになく非常に感動しました。R4Jでレプリケーターを見た時以来、と言ってもいいかもしれません。いやそれは言い過ぎです。

 

 V10の技術的な部分については、IBM Championのみなさまがすでにがっつり書いていらしゃいますのでそちらをご覧ください。このポータルがおすすめです。

ja.collaborationtoday.net

 そんな中でも個人的に最も強い印象を受けたのはやはり、旧 HCL NomadことIBM Domino Mobile Appsです。

- 既存.nsfがいっさい手を加えることなくiPad上で動く

- DominoだけあればiOSアプリが作れて動く

 イベントでこれを目前にして実際に触ってみたのですが、そのインパクトはさすがに強烈です。古い.nsfがそのまま本当にiPad上で動いているというのももちろんなのですが、これはつまり私のような「Dominoのセットアップはできるよ」「ntfなら触れるよ。ACLディレクトリもデータ形式も気にしなくていいし」という人でも、iOSアプリを作れるのですね。すごくないですか。そしてID Vaultはこのためにあったのか!みたいな感じです。

 

 ひとつ残念なのは、今回のV10にまつわる各種プロモーション、10月10日のイベントや発表についてプレスでほぼ何も取り上げられていないのです。10.10以後、私が探した範囲では、

japan.techrepublic.com

だけの模様(要会員登録)。でもきれいに詳しく書かれているし、まとめとしてはとても良いです。

 

 そして先述のIBM Domino Mobile Appsにしても、NotesHTTPRequestにしても、あるいはIBM Domino App Dev Packにしても、Notes/Dominoユーザやデベロッパーにはとんでもない機能強化だと思いますが、Dominoを知らないデベロッパーが「よしじゃあ今度のシステムはDominoで作ろう」と思うのか。というと、どうなのでしょうか。そこが一番心配です。

 

 ただ、IBMの鴨志田さんの記事:

www.ibm.comで書かれいる、その理由。

 

IBMの、Notesのロードマップが不明確で不安だったからだと思います」

 

 これについては、今となっては最早ぐぅの音も出ませんね。IBMの中ではロードマップも計画もあったのでしょうが、まあFeature Packコンセプトはどうなったのかとかそれはおいといて、外から見て「不明瞭」であったことは否めません。もうひとつ思うのは、「メールなんかSaaSで大容量であればなんでもいいんだよ。ついでにセキュリティとアーカイブとデバイス管理がついてくればもっと良い」という正論に、DominoとIBM Connections Cloiudは対抗しきれなかったかもしれません(Domino + SmarterCloud Notesのメリットはたくさんあるとは言え)。しかしこの一年間、やると言ったことを本当にやり、出すと言ったものを本当に出したIBMです。来年のV11も「言ったことはやるだろう」という観点に於いて、期待して良いと思います。

 

 それとも関連しますが、今回の発表会で思ったのはある意味IBM開き直ったのかなと。メールについては本当に細かい機能強化のみ(あれ以上どうするんだという話かもしれませんが)、IBM Verseについては何か話がありましたでしょうか、覚えていません。完全に「非定型業務アプリケーション統合開発運用管理環境 for オープンWEB」としてのDominoとその開発周りを押し出し、最後にはTeamsとの連携までデモをされていました。全然ありだと思います。それこそがDominoのコアコンピテンスです。間違いない。

 

 そしてもうひとつ。コムチュアの小島さんが

majimajikojimajiko.hatenablog.com

で、書いていらしたこと。

 

信者は対象を無条件に肯定しますが、ファンは対象を批判することもあります。

 

 この定義そのものは個人的に微妙な気がするのですが、Notes/Dominoコミュニティに於いてはその通りでしょう。IBM Championのみなさまを始め、Notes/Dominoを好きで使って、売って、運用して、開発している「ファン」の方々は、Notes/Dominoに対して常に批評的であり懐疑的です。IBMの中の人も大変だなあと思います。でも今回のイベントにしても、Notes/Dominoを使ってもいないし使う気もない、売ってもいないし売る気もない、興味もない、関心もない、そういう人は別に来なくていいんじゃないですか? 時間の無駄ですよ? この発表を見てもまだ「Notes/Dominoはオワコン」と言うだけなのなら、寝てた方がましですね。IBM的には「なに言ってんだお前。どなたにでも来ていただかないといかんだろ」とおっしゃるでしょうが、そんなことは知りません(批評的)。

 

 丸谷才一先生が、「批評というのは『比較と分析』、その二つを備えていないと面白くないと思うんですよ。それをしないで単に褒めたりけなしたりするのではつまらない」とおっしゃっていました。全くその通りですね。「裏声で歌へV10」ですね。

 

 ということで次回は「Notes/Domino現場と地下アイドル現場」を比較し、分析します。

 


The Beautiful South - Perfect 10 (Official Video)